THTF's DustBox

桜降る代に決闘を(ふるよに)の攻略とか二次創作とかを中心に書くブログ

【Whirling Witchcraft】キャラ評価たたき台

どうもたひてふです。今回はふるよにではなく布教記事でもなく、直近にハマったボードゲーム、『Whirling Witchcraft』の攻略記事になります。

 

ほとんどカードを選ぶだけのシンプルなルール、15分以内に終わる軽さと、プレイヤーの実力が出る強いインタラクションを両立した、とんでもないゲームでした。日本語版が出る前に輸入して遊び倒しています。沼った。

当記事は、インストして眺めていたゲーム、自分で遊んだゲーム合わせて多分100回以上を踏まえた上の、現状のキャラ評価ならびに主な戦略のまとめになります。

 

用語: 以下で使う当記事独自のもの。

作業台…”workbench”のこと

大釜…”cauldron”のこと

魔法陣…”Witch’s Circle”のこと

線攻撃…1~2色に特化して攻撃すること

面攻撃…下級資源全てを含む3~4色で攻撃し、決壊した色を狙うこと

○○サイクル…下級資源赤,青,緑のいずれに関係するかを除き、同じ効果を持つカード群のこと。サイクルについて言及するとき、下級資源にあたるところはA,B,Cを使う。色の順番は赤青緑となっていて、例えば2色ABが嚙むサイクルには赤青,青緑,緑赤の3枚が含まれる。

例:以下はIncantationサイクル, 黒→黒ABとSummoningサイクル, AA→白BB

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(並びはこの記事での評価が高い順です)

SS

Uncontrolled Powers

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初期資源 黒白赤青緑-00222

レシピ公開前に1色選んで獲得しなくてはいけないというデメリットを背負っているように見えて、ほぼデメリットではない。

初手で黒3つを生成することで、初期レシピを3ターンの間確実に動かせる。このとき黒消費レシピ、特にThe Secret Summoning(黒黒→白青青緑緑)をピック出来ると宇宙。黒3つを沸かし続けて速度で勝てる。

上手くいかなかった場合、2t以降は特定色消費多めの奴を取る→その色を出して殴る、を繰り返すのが強い。上家がその色で攻撃を始めた場合は、効果で他の色を獲得することで、先ほど取ったカードを防御として活用して受け流せる。攻撃に使われていない色を増やす分には上家の得点にならないし、その色を消費するレシピを後から取ればよい。

結論、速攻ができ、初期資源の少なさ故速攻に強く、防御もしやすく、特性上資源絞りにも強いキャラとなっていて最強である。弱点としては、その性質上資源が満杯になりタイブレイクで負けやすいところ、比較的面攻撃に弱いことが挙げられるが、速度が高すぎるので些細な問題である。

 

S+

Hidden Power

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初期資源 黒白赤青緑-00444

ゲーム中一度、資源を5色支払うことで任意の色を3出せるレシピを持つ。下家が決壊し始めたタイミングでその色を出せば3点相当が取れるのは一見して分かるが、全色を消費するため上家がどの色で攻めてきても常に1点防御として機能する点も見逃せない。結果、最終ターンで使えば実質4点スイングである。※なおこのゲームの勝利フラグは5点

基本的な流れとしてはバニラに近く、最低限の防御をした丸めのピックをしながら通りそうな色を押し込むのが良さそうか。固有レシピ持ちでありながら速攻ルートを取りにくいのには注意。



S

Spider Summoner

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初期資源 黒白赤青緑-10252

白3→青5というド派手な固有レシピを持つ。本アルカナや釜アルカナをからめて一気にリーサルを狙うのは強力。準備ができるまでは青産出や白産出を優先しつつ防御を意識して立ち回れば、リーサル打点が高いことから「同時にフラッグが切れる→点数差で勝利」を狙いやすい。

しかし下家はそれを見越したピックをすることが出来るので、青消費多めのカードを2枚と白消費可能なカードを取られると捌き切られてしまい、意外と打点が不足することも。また「取りたい青産出カードは青を消費しないがち」なこと、「青消費カードは下家が取る」こと、「自身の青初期資源が多い」ことから、上家が速攻で青の線攻撃をしてくるとアッサリ死ぬ。人に蜘蛛を押し付けるくせして自分は蜘蛛の扱いが下手な萌えキャラである。

上家は白産出を絞りがちになるので自分で産出できる機構をつくっておきたいが、上手くいかないときは本アルカナに頼ろう。白防御を兼ねて集めた白+A→白+B/C(天体Elixirサイクル)を白打点にしつつ白3→青5が動かせたりしたらアツい。

 

Trickster

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初期資源 黒白赤青緑-11535

奇数ターンは赤赤→緑緑、偶数ターンは緑緑→赤赤の固有レシピが使える。プランを練りにくいように見えて、攻撃と防御が1ターン分速いので面攻撃の速攻に適しており、上家の面攻撃にも強い。直観よりはかなり強めのキャラ。赤と緑のうち、下家を見て受かりにくそうな方に寄せていくと良いが、特化しすぎると2ターンに1回火力が落ちるのが響いて打点不足になることも。下家は固有レシピの向きに合わせて防御ピックをするとしのぎやすい。上家は青、白、黒を中心に線で攻めて資源を絞り気味にするのがよいか。

 

A

Potion Brewer

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初期資源 黒白赤青緑-02444

釜アルカナを獲得する度、作業台→大釜ができる固有能力を持つ。本来の釜アルカナの効果とも両立する。リーサル時は攻めと守りのうち、不足している方を補える(時には、両方使える)効果で非常に優秀だが、終盤に困る色を読めない場合、序盤に使っても下家に資源を献上するだけになりがちである。終盤は、The Lost Arcana及びThe Vortex Potion(それぞれ釜アルカナを2つ獲得できる)での効果2回誘発ができると宇宙。

色ごとの得意不得意は少なくピックの方針を決め打ちしなくてもいいのは評価点。



Blessed by Fey

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初期資源 黒白赤青緑-10550

無から白緑を生成する固有レシピを持つ。下家に白の負荷を常にかけられ、白を消費されたとしても全体の資源量が増え続けるため、場全体を短期決戦志向にする。結果、長期戦前提の連中ほとんどに強い傾向にある。資源絞りにも極めて強い。

下家が白緑速攻を決め打ちしたピックをしたり、白の消費に困らないSpider SummonerやSpellbook Scholarだったとしても、Ritualサイクル(白赤青緑⇔黒AA)やRune of Horror(白緑緑→黒赤青)をピック出来れば黒寄せの速攻に切り替えられて柔軟性が高い。

ここまで強いことばかり書いてあるが、防御に関してはほぼバニラなうえ、赤青は初期資源が多い分速攻に弱いので注意。

 

Frog Whisperer

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初期資源 黒白赤青緑-01219

緑緑緑→任意の色の固有レシピを持つ。初期から緑を9個持っているので3ターンは確実に動く。黒を固め撃ちして受けきれなさそうなら速攻を仕掛け、黒を受けるレシピをピックされたら処理できなさそうな別の色に切り替えるのが主な筋。 

他の色で攻撃する時、固有レシピの効果により、ある程度までは緑を生成するカード全てが他の色の線攻撃に貢献することになる。直接攻撃するだけでなく、固有レシピから「攻撃したい色を効率よく生成するレシピを動かすのに足りない色」を出すことで防御と攻撃を両立しつつ余分な資源を絞ったりもできる。

総じて、線攻撃に極めて向いているキャラ。

また、常に緑を消費し続けるため、初期の保有数に反して緑で死ぬことがほぼないのも防御面での強みである。

おまけとして本アルカナを初期から持っているが、序盤に資源が余っている段階で暴発してしまい、逆に本アルカナを奇数に調整してリーサルに備えるのが難しくなりがちである。寧ろデメリットかも。

弱点としては、面攻撃ではやや他の能力に劣ること、緑を大きく消費する他のレシピを活用しづらいことが挙げられるだろうか。



B

Daredevil

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初期資源 黒白赤青緑-01444

意味・対訳 向こう見ずの人、がむしゃらな人(weblio英和辞典, 2022/01/16閲覧)だそうですが、命知らず、という意訳が綺麗で好きです。

レシピを選ぶ時手札からランダムに1枚選ぶことで、レシピ公開後好きなアルカナ1つの効果を発動できる。ドラフトゲーでランダムピックは無理だろ、と感じるかもしれないが、どうにもならないものを引いても本アルカナを出せば動かせるので、意外とリカバーは効く。

無論、一番取りたかったものを引けば、単純に得しかしていないことになる。また、役割が変わらないカードが複数あるときならばリスクを減らせる。

とはいえ釜アルカナを動かした1点は、最初からレシピを持っている連中の火力ボーナスとトントン程度。瞬間防御力を鴉アルカナから出せるのも偉く見えて、瞬間防御力が欲しいリーサル直前は自分でピックしたくなるので無意味になってしまう。

総じて、このゲームにおける戦略の重要性に比して、戦略を半ば捨て運ゲーを始める利益が十分かで言うとやや足りないくらいの印象である(足りちゃってこいつが最強になるとゲームの面白さを損ないうるので、素晴らしい調整ではあるのだが)。

とはいえ、毎回能力を使ったうえで最も取りたかったカードを取れたら、コンボを完成させた上位勢よりも強い(気がする)ので、理論値は高い。しかし期待値としてはこの辺。総じてギャンブラー気質のジョニー向け。



Spellbook Scholar

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初期資源 黒白赤青緑-12333

各ターンに一度、白2を払って本アルカナの効果を発動できる。白防御はこれだけで十分と言って良い。この効果があれば要求が厳しいレシピでも動かし放題なので、白を生産するレシピを取りつつ、白が足りない時はレシピから本アルカナを得ることで代用としながら上家に負荷をかけていきたい。

だが、白を十分に得られる状況では、Spider Summonerであれば青5を生成してリーサルが狙える一方、Spellbook Scholarは白を消費しても直接的に打点が伸びている(取ったレシピ以上の火力が出る)訳ではないので、やや見劣りする。

資源が不足気味で本アルカナを活かしたい状況でも、無理やり資源を沸かしてレシピを動かせるUncontrolled PowersやBlessed by Fey, ランダム性こそあるが本当に元手の要らないDaredevilの方がより直接的解決を望みやすい。

結論、そこそこやるが同じようなピックをするなら別キャラだともっと強くね?という枠。ライバルが強い。

とはいえ受け強めのピックをした後、そのカードが動かなくなったら能力で動かすことができること、ピックの方針が自由であることを踏まえると、防御面ではSpider SummonerやBlessed by Feyよりは有力かもしれない。(Uncontrolled Powersさんは知りません)

 

Clairvoyant

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初期資源 黒白赤青緑-12444

知らん単語だったので調べたら

形容詞

1透視の,千里眼の.

2鋭い洞察力のある.

名詞

千里眼の人

だそうです(weblio英和辞典, 2022/01/16閲覧)。

能力は、手札上限が5枚になるというもの。各ターン各プレイヤーはカードを手札上限になるまで引くので、上家はカードを引けず、自分はカードを2枚引ける。人間の根源的欲求であるドローの権利を奪えるので、起こった現象に比べて滅茶苦茶気持ちがいい(※個人の感想です)。

下家が持っているレシピを(1R目を除き)全て把握できるので、先読みしたピックをすることでかなりの防御力を手に入れられる。とはいえ受からないカードを自分で2枚引いた場合は無理なんでOffer Rematch。

しかし、耐久したところで他プレイヤーより高いリーサル打点を出すことが難しく、しかも多人数ゲームで1人を縛る行為は勝利に近づきづらいので、キャラパワーとしては低めという評価。そもそも干渉できない上家以外が都合の良いカードを揃え続けた場合、能力の差で出力負けし続けることになるのも悲しい。2人プレイならAランクくらいかもしれない。

 

C

Whirlwind

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初期資源 黒白赤青緑-00555

全てのカードをS字の如く上下逆に置ける効果を持つ。S字とThe Lost Arcanaを除いた上下反転させる意味のあるカードは60枚中37枚なので、ピックの選択肢は約1.6倍になる。基本的にカードは入力より出力が多いので、反転は資源を絞ることになる。なので、勝ち筋は線攻撃になりやすい。効果で線攻撃を狙う際の有効牌を引きやすいのも高相性。特定の色の防御札が必要な時にも便利。

逆に反転させることで火力向上につながるのは、The Shadow Curse(黒白青赤緑→黒黒),The Book of Midnight(赤赤 青/緑 青/緑→黒), Offeringサイクル(AAA→白BC)あたりだろうが、いかんせん数が少ない。

弱点は、反転させない場合が最適な手札の際は実質バニラなこと。並びに、他のプレイヤーが都合のいいカードを揃え続けた場合出力負けすること(Clairvoyantと同じ)。そのため、反転が直接勝利に結びつくことは少ないのではないかと思い、この位置。



Witch of all Trades

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初期資源 黒白赤青緑-11555

5色全てを生産して大釜に入れたターン、大釜から1つを自分の魔法陣に送れる効果を持つ。黒や白を揃えるのが難題だが、釜アルカナの効果でもOKなので、一時的に満たすだけなら意外と簡単。

資源をギリギリまで絞りつつ横に揃えてクロックを刻むのが能力を活かした勝ち筋。とはいえ回復のために資源を生産せずにはいられなくなるので完全に絞るのは難しい上、1点では勝ち切れないのでゲームを引き延ばさなくてはいけないが、引き延ばすとレシピ持ちが高打点を出して6点以上取ってしまい負けることが多い。

普通のピックをして終盤1〜2点盛る使い方だと、固有レシピ持ちや、Potion Brewerより打点が低くなりがち。

総じて、ロングゲームでしか活きない上他のロングゲーム向け能力に比べ力不足に感じる。2人戦前提で、徹底して資源を絞れるならなんとか……?

 

 

内容は以上になります。

キャラ評価における共通の観点としては、

・基本的に攻撃は防御より優先される。しかし上家の速攻を成立させない程度の防御は必要。2人プレイの場合はその限りではない。

・能力を含め防御に特化するとかなり死なないことが可能だが、自分が勝つには十分な打点を出すギミック(固有レシピ等)が必要。

といったところでしょうか。どのキャラを選んでもこれを頭に入れておくと勝ちやすくなると思います。誰かが勝手に死んでどうにもならないこともありますが……。

 

あくまでも一つの目線からの評価なので、鵜吞みにしすぎず一つの参考にしてくれればと思います。