※当記事はふるよに Advent Calender 2023 に参加しています。他にも面白い記事がたくさん上がっていますのでぜひご覧ください。
adventar.org
ご無沙汰しております。たひてふです。
記事はふるよにアドカレの時しか書かない人となっていましたが、去年は登録しようとしたら終わっていた(人気企画!!)のですっぽかしてしまいました。鍋しか書いてねえ。
界隈への貢献という意味では、学生ではなくなってもなんやかんや遊び続けているという一点でお許しいただいて……。
今回はもはや老人となってしまった身らしく、過去及び現在のカードたちについてユーモアを交えつつ?語る企画としようと思います。
攻略にはそんなに役立たないことご了承ください。
ナーフ解除選手権
……はい、他のTCGも遊ばれている方は「禁止解除」とか「殿堂解除」とかいうのを見たことがあるかもしれませんが、ソレをパク……、大いに参考にした企画です。
長くアップデートを続けるゲームでは、一定の確率で恐ろしい強さの要素が生まれます。ゲームバランスが壊れてしまい、「面白くない」と感じる人が増えるので、テコ入れが必要になります。
TCGの場合「禁止・制限カード」というそれを強制的に環境から消す機構でテコ入れがなされます。
とはいえ時間がたつにつれゲームはインフレし、過去の禁止・制限カードよりも強力なカードが多数登場することになります。
なので後々「なんでまだこいつ規制されとんねん!」という指摘がなされ、思い出したころに戻ってきたりします。
その「戻ってきそう度」を評価する、時には「戻ってくるわけねえだろボケカス!」と元カードの性能を称える?貶す?というのが参考企画の趣旨でした。
ふるよにも新幕の歴史もそろそろ5年を超え、インフレが進み、その中で何度も壊れたカードが登場してきました。そういう意味では相応しいタイミングでしょう。
ただ、ふるよにでは「禁止カードは下方修正され解除される」という形式なので、それに合わせて
「下方修正(ナーフ)」を解除して許されるか
という観点で見ていこうと思います。
とはいえBFP公式さんは、「ナーフされたカードを強かったころの形に戻す」よりも「他のカードに手を入れて総合力を高める」という方式を取ることが多いので、この想像が実現することは少ないと思います。
(今回8-2→9の「ハドマギリ」等の例は、前回更新がカードの印刷を伴っていなかったゆえの特例でしょう。)
なのであくまでも、思考実験としてとらえていただきたい所存です。
それでは本題に入りましょう!
対象
以下のカードです。現行カードプールから「下方修正を意図した調整」すべてと「方針転換を意図した修正」の一部を抽出しました。
基本的に「それ1枚だけを解除した時どうなるか」を主観10割で見ます。山ほど異論があると思うので好きなように叩いてください。
あと、新環境めちゃくちゃエアプなので実は今だとクソ強いみたいなのもあるかもしれませんが、そういうのは突っ込み入れてください。
一部メガミのギミックとセットで語らないと正確な表現ができないものはまとめて計上します。
また、リワークの対象になったメガミはややこしいので除外します。
分類
C……解除しても大きな影響がない。
B……解除したら大きくシェアを伸ばす。
A……解除したら競技環境において支配的、握り得になる。
S……解除したらBAN必須級メガミになり、競技環境で正常なゲームを楽しむことが極めて難しくなる。絶許。
【Cランク】
《氷雨細音の果ての果て》S1
印刷ミスにより間合が書いておらず、再印刷が必要となったのでついでかのように下方修正されたこのカード
現在よりも消費が1低い4となっています……が、正直あまり変わりません。
当たるマッチと当たらないマッチがはっきりしており、能動的に使えないというのが理由です。
とはいえケアをさせられる時間がやや長くなり圧力がゼロとは言いませんが、これ1枚が各種サイネの立ち位置を大きく変えることはないでしょう。よってこの位置。
《不意打ち》~S4
間合4が入っており、ライフダメージが減衰しなくなっています。
伏せ札1枚を作っても未だ3/3で打つことができるので、オーラを甘えて攻撃することを許しません。
当時はこれと《鋼糸》《手裏剣》《誘導》を持つAオボロはかなりの中距離戦略を否定しるとのことで下方修正されましたが、現在の中距離は一発全力をもらったリソース差くらいでは止まらない設計になっているので、その方向の強みは薄い印象です。
というか《徹底抗戦》に勝ってるところが少なすぎて泣きます。時代を感じる。
《鳶影》~S2
かつては消費が3でした。単純計算3コスト1ドローなので、おおよそ《スカーレットイマジン》並みのバリューが出る上で対応としての性能も有ります。
当時は《足捌き》や後述する†大罪人†と組んでめちゃくちゃやっていました。
とはいえ当時に比べカードを伏せるという行為をゲーム中に自然にするのも難しく
ゲームスピードが上がった結果、相手が攻め込むターンに重要なカードを伏せられているかも怪しくなっているのでこの位置です。
とはいえ《虚魚》との相性が非常に良いので、じつはめちゃめちゃこの1コストが有効ということもあるかもしれません。
《Julia’s BlackBox》~S2
0コストらしい。燃料回復がちゃんと使えれば2APなので変形分虚空から沸いてる。なんで?
そのうえ、いつでも撃てるのも驚きです。今でも《Roaring》《Steam Cannon》 《Turbo Switch》で最速変形する動きがありますが、その際にフレアを必要としないので切札を構えたまま立ち回ることができるようになります。
全体的な利便性の底上げにはなりますが、新しく勝てない相手に勝てるようになる強さはそこまであるのか?という点と、ここから登場するやつに比べると地味……というので悩みながらもここになりました。とはいえ安心してください。サリヤはあと何度かの変形(文字通り)を残しているので……。
《ほかげきらぼし》~S6-2
基本動作1回がおまけについてきます。紫0マスを踏む価値が極めて高くなり(なんと1マスから3AP!)、赤マスの消費を実質0.5低くする、もしくは纏いながら火力を飛ばすので左ルートによるビートを支えていた1枚です。
また、終幕ルートでも活躍していました。右ルートの紫5から《桜飛沫》裏を達成しつつ2纏いができ、最後は《位置取り》裏に貢献する偉い奴です。
現状でも戻ってきたらカナヱの取り回しやすさにかなり寄与しますが、こういった小回り系の切札が増えた現状では枠を食い合ったりしそうなのでこの位置です。
【Bランク】
《足捌き》~S4
恐らく帰還を望まれている下方修正済カード第一位。
近距離に着地するために必要な移動を実現する高水準カードであり、序盤はクロックを安定させ、終盤はハードレンジロックをされない限りどこからでも《月影落》を当てに行ける機動力が多くの間合操作メガミを破壊していたので、ユリナに弱点を作るため消されてしまったカードです。
とはいえ今戻してもオリジンやA1のユリナが覇権を取ることはないと思います。単純に通常札攻撃や対応の質がインフレしており、《斬》《月影落》を振れるだけでは勝ちきれません。それで済むなら《幻影歩法》《棘縫い》などの外付けカード込みで活躍しているはずですが、弱いとは言わないまでも最近は地味です。
ではなぜここに置かれているのかというと、A2ユリナが原因です。先2で《足捌き》→《阿吽》→《問答》ができるようになるとさすがに1柱の機能としては破格すぎます。《阿吽》は納のために貼りづらく、貼るために攻撃をすると効果が発揮しないという繊細なバランスで機能しているカードですが、これでダストを担保できてしまうとさすがに許され難い性能になります。よって許しづらい一枚です。
《律動弧戟》~S1
消費が5です。なんか印象違いすぎん?単純に《音無》0.5発分です。
リーサルを取りに行くときの出始めも早く、他の切札との併用がかなり楽になります。
消費が下がる系の連中のなかでは圧力が結構高いと思っていますが、対戦のバランスを壊す力で言うとAとBのギリギリ間くらいなんじゃないかと思いこの位置です。
《響鳴共振》~S1
相手のオーラが5なら2にするカード。
下がる距離としては正直下がりすぎて困るまでありますが、当時に比べて中空の火力はインフレしており3/2を簡単に振れるようになりました。これらは全てライフに当たります。
よってこれをケアするために相手のオーラは必ず4以下になるわけですが、つまりサイネは「宿すだけで相手がオーラを5にできないメガミ」になります。そうなれば結局話は簡単、他の切札を採用するだけです。
現在のマイルドな《響鳴共振》を使えなくなるデメリットはあるもののそれを差し引いて余りある強化になるでしょう。とはいえ結構局所的であり、テンポを取りながら戦うような戦略とはかみ合わないのでBランクとなります。
《音無砕氷》~S1
現在と同じ硬さを1コストで実現します。新弾の《カカゲルカゲ》軽すぎて草とか言ってましたがそんなもんじゃないです。他の切札入れ放題です。
1/1が飛ばないのはテンポ取りの性能やあと一歩のリーサルという点で困ることはあるかもしれませんが、《音無》が軽くなった結果、元々は《律動弧戟》など大型切札を撃てないデッキでも打てるようになってしまう可能性があります。軽さは可能性です。
とはいえ再起の条件が旧八相であり、再起の際に2/2を受けられないのは結構な痛手です。(そもそもそれをを緩和するためのカード更新が一度行われているくらいだからその通りです)
とはいえいくらかのカードは《見切り》でさばけるので何とかなりますし、リワークされたA1サイネの《伴奏》なら威力を軽減できるのですべてを解決します。なんなら破棄時にコストが下がるので真に無料でライフを守ることができます。お得すぎる。
結果、新登場のミソラなどをはじめとするクロック戦略を大きく否定するカードとなりうるのでこの位置になります。ちなみに再起条件が新八相準拠になってしまう場合、Aランクの中でも上位くらいの位置になる気がします。
《最後の結晶》~S4
消費が2であり、手札を失わず復活できました。何AP差なんだ。
「消費2」というのがミソで、《神代枝》の効果でフレア+1、復活した時に10個目のライフをフレアとして使えるので丸々得です。しかもとどめの一撃が残りライフ以上の攻撃なら、超過分ダメージも消えて得しています。なんで?
つまり《神代枝》は入れるだけでゲーム中に使えるリソースがオーラ1以上増えたうえでやたら硬くなるすごい奴でした。
とはいえこいつ1枚でAオボロの立ち位置がいかほど上がるか、という話です。現環境では軽い切札を多く採用し臨機応変に立ち回るのがトレンドであり、ただ少しリソースを得する代わりに切札枠を失うとなると、入れ得というほどではなさそうです。
ただ、復活の際にライフを捨てなくて良い面は見逃せません。
《森羅判証》を使っても敗北せずそのままゲームを続け、《皆式理解》で再展開、ライフを15点使うコンボがあったり
《誘導》+《炎天・紅緋弥香》を当ててからゲームを続行したりなど、結構ふざけたことはできます。
特に現代では、ダストを枯らしながらバーストを狙えるメガミが減っており、前者のコンボが使える戦書の存在感は大きくなる予感があります。
とはいえ、三拾一捨単位でどこまで活躍できるかというと微妙なところもあるのでこの位置です。
《皆式理解》~S1
付与の納をそのまま倍にします。今のように《使徒》再展開などはできなくなりますが、《森羅判証》を伸ばすだけですごいことになります。ちゃんと山札を積み込めれば《壮語》だけで5~6点は狙えるうえ、当時に比べ現在はダストが出やすく、手札対応や付与札の性能もインフレしているため火力不足な対面を圧殺しうるでしょう。
他にも《桑畑志水の死に所》《八葉鏡の向こう側》など延長したらろくなことにならないカードもちょくちょく追加されています。
ですが、極端にシンラの立ち位置をよくする(弱点を補う)カードではないのでこの辺かなあと思います。
《びっぐごーれむ》~S1
消費が3です。初手3宿しから開いて前進が不要なので、話が大幅に変わってきます。
単純に1巡目の動きに余裕が出てくる分、攻撃を受けずに済むので、時間さえもらえれば勝てるカウントダウン系のデッキにとっては大きな影響があります。対応も構えやすくなるでしょう。
結局新しいデッキはほぼ生まれないため環境全体への影響としては相応と考えましたが、見た目の差の小ささに反して、Bランクの中ではかなりおかしな奴だと思っています。
《ひとり目覚めて》~S6-2
消費が2です。特に《桜花》ルートにおいてその完成難易度が大きく下がります。ダストを出さないので回収効率が高いですし、初巡から前進を拒否しつつ準備を一方的に進める、強いパターンを実現していました。
しかし、このナーフを行う前のAホノカは下方修正不要派がいる程度の位置でしたし、メインの《震える》ルートへの影響はそれなりどまりでしょう。というか今のオリジンホノカに比べたら安定性もインチキ感も足りない気もしませんか
とはいえ全盛期の《アイツ》はダメです。詳しくは後で。
《四葉鏡のわらべ唄》~S6
付与を切札でも割れます。下方修正の時のコメントを引用します。
切札の付与に依存する何柱かのメガミは「四葉鏡のわらべ唄」が存在するだけでその戦略を諦めなくてはなりませんでした。これはゲーム全体の楽しさの総量を奪っています。
まさにこの通りで、該当するメガミはヤツハを確実にBANしなくてはいけない程度に相性差をつけられていました。1枚の切札が持つ機能としてはかなり不当です。
ふるよにの歴史に置いてピンポイントメタカードは弱いか強すぎるか、極端な結果を生むばかりになっており、その中でも代表的な1枚でしょう。ただ、これ一枚で環境トップに立てるかという基準ではピンポイントすぎるという理由でここに置かせていただきます。
ちなみに今戻ってくると《阡》を即割ったり、再展開して過剰打点を出して蓋をしたり、《死に所》をパクって立場逆転させたりなどなど、余罪を多数発生させることになります。
《あたらよちよに》~S6-2
切札であっても打ち消すことができました。とはいえ軽量切札は打ち消しても未使用に戻る上1フレア与えてしまうため、現在と比較して意味が大きいのは《月影落》《クリムゾンゼロ》《ゆらりび》《ギガ介》くらいでしょう。
これらは高速化した現環境だけ見ればあまり採用頻度が高くなく、別のカードでも一定の対策ができるため、単にこのカードだけを解放時の影響と考えると低い位置に置かざるを得ません。とはいえ切札でも打ち消す切札対応で、リーサル時は2/1として使えるという性能は破格であり、環境が少しずれれば大きな存在感を放つポテンシャルは十分だと思います。
《散華刃》~S8-2
《阡》~S7-2
《灯》~S7-2
これらはまとめて説明したほうが良いでしょう。次々とナーフされていったカムヰの攻撃カードたちです。(2枚は行動と付与ですが……)
カムヰには時間制限があるため、相手のオーラや対応を貫通する能力が一定求められますが、結果的にやりすぎていた部分を削ったのがこの下方修正になります。
全てを持っていた頃のカムヰは《阡》《暁》のどちらか都合が良い方(時には両方!)を用いることでほとんどの防御力を乗り越えることができました。
とはいえ、このうち1枚が返ってきても《散華》が弱くて《阡》が当たらんとか、《暁》ラインまで落ちてこないとかになりそうなのでまとめてこの位置です。ちなみに2枚帰ってきたらA相当は余裕なんじゃないかと思います。
《理》~S8-2
行動カードの使用を大きく制限しつつ、おまけにライフを回復します。
《ヴァーミリオンフィールド》対策に作られた(らしい)カードですが、実際は悪い意味で汎用性が高く、行動切札を中心にしたギミックにも有利をつけていました。
高頻度で出てくるメガミがやたら支配力のあるカードを持っているのは体験としてかなり不快だったので下方修正されたわけですが、上述したようにカムヰの攻撃力がやや落ちて、《理》抜きでの採用理由が少し低下したので影響小と言えるでしょう。
【Aランク】
《浦波嵐》~S4
ここからは記憶にも新しい、令和生まれの怪物か
もしくは禁止カード経験者、
果ては歴史に名を残す、単体で異常なパワーを持つ大罪人のどれかです。
第一弾はこいつ、なんてことのない《浦波嵐》。
ただし終端はありません。ん?
オーラ2軽減の硬さはこのゲームをはじめてユリナを触ったらすぐにでも理解できるでしょう。多くのメガミにとって主軸となる攻撃である2/2,3/2をほぼ無効にします。そのうえで相手のオーラまで剥がせるなんてめちゃくちゃ贅沢。とはいえ、他の対応が使えなくなるので使いどころが難しい、そんな一枚です。
なんですが、終端が外れるとそのデメリットが全くなくなります。他の対応と合わせて持つことで、それぞれにとって有効な攻撃をピンポイントで消し、かなり安定して決死を踏むことが出来ます。
更には攻撃カードとしても有効です。単純に2/-を打つと4/4が当たります。《月影落》を打つフレアがないにしても、このカードは単体で通常札1枚以上の価値があります。
しかもユリナには《柄打ち》があります。合わせればライフ1点オーラに3点です。あとは3/2以上の攻撃が全部当たって終わりです。
《足捌き》の項でも言う通り、正直ユリナのカードの多くはやや力不足になってきましたが、これが返ってきたら《浦波》個人群としてやっていけるくらいのポテンシャルはあると思います。
ちなみにA2ユリナの方はもっとダメです。リーサルでは確実に《阿吽》を誘発させてから動けますし、《柄打ち》がなくても《問答》からオーラを壊せます。
《不完全浦波嵐》~S4
現代基準では構えづらく、対応としてかなり扱いづらいこのカード。とはいえこちらも終端を失ったら攻撃カードとして許されざることになります。
《柄打ち》→《不完全浦波嵐》4/-からオーラダメージ2以上の攻撃を全弾ライフに入れられるようになるため、決死で生き残り、間合2に着地さえしていればまあだいたい勝ちます。自分が《乱打》を持っているのがまずく、ライフ4以下はほぼ問答無用でリーサルと言ってよいのも恐ろしい。
現代にはびこるレンジロックや中空系に対して戦いづらいように見えて、相方が一定程度殴れれば《不完全》から逆リーサルか、無理やりの《月影》《乱打》でワンチャン掴めてしまうので許されることはないんじゃないかと思います。というかこれくらい凄いものがあれば、前に行けさえすれば勝ち、と割り切れてしまえるので……。
《バックドラフト》~S4
-/Xにも載っていました。主にやらかしていたデッキはヒミカ/Aトコヨです。序盤の連撃と《奏流し》だけでライフを取りきってしまうデッキで、ほぼコレ単体のために下方修正されました。
そのうえで、強化された《円月》や新カード《ミハテヌハテ》《弓流し》にも乗ります。元々強い組みあわせが、新たに対処不可能な詰め性能を獲得してしまうといよいよ近距離を完全に締め出してしまうでしょう。早めのナーフは慧眼でした。
《影菱》~S1
伏せ札から打つと3/2対応不可です。痛すぎ。3/2から《鳶影》するともう一回3/2が打てて問答無用のリーサルです。これだけでも理不尽ですがアグロ再構成による圧力が別方向に高くなります。自分のライフを1削れば相手のライフが2減るのは手札破壊と別の不当さがありますし、運ゲーが過ぎます。トップ《反乱撃》《刻み刃》連打もびっくりの理不尽。
新たに《虚魚》による連打や《追尾撃》《錬成攻撃》などごまかす方法も増えてしまったので猶更危険な一枚です。
《忍歩》~S2
両矢印です。今のオボロが《虚魚》を使ってやっと手に入れられる力を常に使えるようになります。レンジロック耐性の上昇だけでなく、自然に入れられる《鳶影》対応両ステップであるので《鳶影》自体の価値も上がるのが偉大です。
間合3でも《影菱》ケアをさせられたりもして押し付け性能も高くなっており、手札に頼ったデッキを食らいつくします。未だに許されない一枚でしょう。
《はらりゆき》~S8-2
記憶に新しいこいつ。説明は割愛します。
正直今の《しこねこ》+《はらり》がどれくらいの力を持っているのかいまいちわかりきっていないところはありますが、1枚の影響力、というか間合3と6の影響力は計り知れないでしょう。単体採用時のスペックや、対応や相手の間合操作に対する脆弱性が段違いです。というか単純なカードパワーがBランクの連中に比べてめちゃ高いです。
(最初はBランクに置いていましたが冷静になった時そんなわけなくね?と思い、するっと上にあがりました。見直し大事だ……。)
《Form:ASURA》 ~S5
遂に禁止カード経験者ご本人の登場です。
まず、間合1で攻撃できます。疑似的なクリンチ戦略まで可能です。うおおお毎ターン《魚吊り》!
また裏の《Shield Charge》に当たるとまずいので、基本動作に対応を吐かせられます。そうなると畏縮もしません。詐欺られている気分です。
それだけではありません。変形した瞬間に山札と手札を破壊します。《Roaring》でリソースを絞りつつ変形してからのハンデスは大概のデッキを機能不全にできます。
さらに、先攻を取れると相手は3ターン目のドローができず、手札が確定するターンを奪えます。なので同型対決であっても大きく先手が有利になるという歪みもあり、これも修正の一因です。《甲矢乙矢》さん!?
また、手札の重みや折衝の重みはカードパワーが上がった現在ではS5よりも増しているので危険度は上昇しています。《Steam Cannon》でダストがなくても変形できるようになっているのも追い風です。
《獣爪》~S1
0-2 2/2
痛い!説明不要!間合1で3/2を撃たれると痛いとは前の項で説明しましたが、間合0で2/2を撃たれるともっと痛い。前ステップは常に効かず、裏に《風神爪》とか《風雷撃》があるので激痛です。アナザーなら「嵐の力」でバフして3/2。重すぎます。
単純にリーサル計算間際の重みが3/1と違いすぎるので、一度試してみてください。飛ぶぞ。
《残響装置:枢式》~S3
相手ライフをダストに送れ、間合制限がないバージョンです。
まず、相手のフレアがないので返信の難易度が下がります。
加えて、間合制限がないことで、近間合で変身してそのまま《静寂》でハメることができます。
禁止となった《大重力アトラクト》のような派手なカードがなくても、《影の翅》を使い中空で攻撃した後に何かしらの前進札を使えば間合1~0での変身を十分に狙え、後隙もありません。
しかも変身後のライフ減もありません。何かの拍子に高いライフで変身できると、行動回数が増えます。《大破鐘メガロベル》や《理》などから完封盤面が作れます。
現代のAウツロの勝ちパターンより強い局面をより簡単に作れる恐ろしい奴。納得のこの位置です。やはりカード更新には反省を生かされている訳ですね……。
《桜花眩く輝かん》~S6
何の変哲もない《四季めぐ》や《指揮》を禁止に追い込み、最終的に本人が禁止になった悪党です。
適正距離ほぼ全域です。遠い間合で《ひとり目覚めて》を開け、近づくことなく《桜花》を育てていればそれだけで一定の対面に勝利できます。リソース面の苦しさはまだ残っているとは言え、毎ターンの移動が不要なので相手に対して常に有利な間合いに立ち続けることが出来ます。勝利条件を「これを撃ち続けること」にする邪悪さもあり許されざる1枚です。(なお、こいつの同期にカナヱがいたせいでバレるのが少し遅れた模様。)
《八葉鏡の徒桜》S7-2
1シーズンだけ活躍していた幻の形態。間合制限(というか間合)が8以下であり、初手《幻影歩法》から容易に使用できます。
そのうえで変換の度の畏縮もないため、毎ターン再構成して《徒寄花》を高速で作成したり、必要な時に《本当の怪物》を持ってきたり等等。
切札の選択肢がないわりに通常札の枠を割くのは重く、強力な組み合わせは限られていましたが、ホノカとの組み合わせなどでは対応不可であることを悪い意味で生かしきっていました。現代ではアキナと組んで対応不可だけで詰めたり、Aトコヨと組んで山札を積み込みつつ《徒寄花》を引きに行ったりできそうなので、なおのことアウトでしょう。
《脚本化》~S7
1-9 1/1で、回収にリスクがありませんでした。明確にこのカードはカナヱのアキレス腱であり、何枚ナーフされてもしぶとく生き残り続けた元凶です。
その最たるものが強力なビートダウンです。繰り返し使えるカードに1/1がついているというだけでまあまあ痛いのは《ホロ苦無》で体感していることかと思います。
裏に《空想》《演出化》を添えておけば火力は近距離ビートとして合格点以上になっており、そんな奴が小回りの利く妨害をたくさん持っていたためにトップの立ち位置を走り続けていたわけです。
戻ってきたら当然のように大活躍するのが目に見えます。組める範囲の広がり方が怖い。
《封殺》~S6-2
禁止カード経験者のひとりです。
納が2でした。結局持続ターンは同じなのに、これの何が違うの?と思うかもしれませんが大きな差です。
序盤に貼りやすいのもありますが、最も大きいのは「再構成に混ざり2ターン連続で使用できる」点です。簡単な話としてリーサルが2ターンずれます。高速化したビートミラーでも、終幕によるカウントダウンでも、そんなことになったら普通に負けです。
また、切札ギミックに依存したデッキの場合も即座に負けです。範囲広すぎん?
カードの特性上、どんな対面でも一定以上意味を持つ性質を持つこともあり許され難いでしょう。
《斬り払い》~S7
これまた禁止カード経験者です。ついでに一時的なルール改定までさせています。
1-4はなんでも1ゲージで消します。攻撃後効果も消します。
近距離は撃ち合ったら必ず負け、コントロールや中距離は移動札、全力札、リソース破壊札を消され負けます。つまりほぼ全ての対面に有利をつけうる性能をしています。
そのうえで、ゲージが+1。+2とは非常に非常に大きな差があります。
たとえばライフに当たる攻撃を打ち消した結果、ライフが5を下回らなくなった場合、単純に次のターンを見てゲージ量はトントン。それよりも前の攻撃を打ち消した場合も、ライフが5を下回るターンが遅くなるのでトントンです。
つまりゲージを失っていないので、1/1が飛んでライフを守れている分撃ち得カードになります。
おまけにリーサルで振れます。《散華刃》《暁》をアクティベートできるので割とシャレになりません。
釈放された途端、環境の近距離メガミはほぼ全てカムヰに差し替わることになるでしょう。
《神授》~S8-2
この辺から影響を身体で感じられる枠。文章を少し削ります。
まだ差し変わってからの影響を真に図り切れていないのでまあアレなんですが立ち位置としては間違いなくここ。どうして《魚吊り》も使えたんですか???
《直接金融》~S8
《源上安岐那の御明算》~S8
微妙なナーフ解除によりS9環境大注目のアキナ。割れない《直接金融》でも、宿しが難しい《御明算》でも貰ったらたちまち頂点でしょう。
《金屑纏い》~S8-2
《ウバラザキ》~S8-2
ミソラがきついかもとはいえ、まだ赤札生きてるのでシスイやれそうな感じしませんか?(カードの解説になっていない)
普通に片方無傷になるとお話が変わりすぎるのではないかと思います。両方ともここに挙げられているカードたちと並べて遜色ないパワーの持ち主でした。ありがとう。
【Sランク】
《壬蔓》~S2
ここからは対戦相手にゲームをさせないレベルのカードになります。解き放ったら最後、ふるよにの多様性や組み合わせの面白さ、その大部分が損なわれるだろう連中です。(なお使ってる方は気持ち良すぎるので面白い模様)
今を生きる皆様からしたら信じられないことが書いてあり、驚くかもしれませんが、全て過去に生きた真実です。
トップバッターは《壬蔓》、通称青ミカ。間合制限もなく相手のオーラを問答無用でフレアに送ります。
収支だけ見れば今の《壬蔓》と変わりませんが、遠距離や近距離で使え、対応の余地もないのが邪悪でした。
《誘導》と組み合わせて対応不可でオーラを剥ぎ《遠心撃》《月影落》を当ててよし、
クルルと組んで素早く《びぐご》《どれでび》から《あくせらー》《分身の術》《鋼糸》を確定ヒットさせてもよし、
超遠距離で使えるのでヒミカの連撃に混ぜてよし、
1~2距離で《雷螺風神爪》を連打してよし、
などなど、使い勝手がおかしなことになっています。
オーラを構えるという対策が寄与しないこと、コストがないどころかマイナスであること。そのために常識はずれな方法での死をたくさん作りだしました。
カードゲームにおける「コスト」「条件」「受け手の選択肢」の大切さを教えてくれるカードです。
《Thallya's Masterpiece》~S2
元禁止カードの1枚。
ざっくり言うと、今のこのカードでは許されない邪悪な挙動を3つ持ちます。
1.騎動するときに造花が足りなくても移動できる→まあこれはちょっと強いくらい。《Burning》の使い勝手がかなり良くなるのは嬉しいですね。
2.相手ターンでも使える→《Turbo Switch》があればほとんど何でも回避できるようになります。これと《Omega》なんてあったら何も通りません。1.により造花が1個でもあれば対応として機能するおまけつき。ほぼ無敵になります。
3.《YAKSHA》でもOK→集中力と造花がある限りBeta-Edgeを使うことが出来ます。すべてのリソースが2/1になり、2/1よりも強い攻撃は当然2/1以上になります。おまけに、最後は騎動を繰り返すため、他の攻撃をすべて振ったうえで間合0か10近くまで逃げ切ることが出来るので返しのリーサルはありません。
余りにも一方的な支配力。傑作が過ぎる。
《Form:YAKSHA》~S1
変形時効果で、相手は手札と集中力をすべて失い畏縮します。はい?
返しは相手が2リソースしかないので普通に考えたら死にません。なので、変形が全力であることのリスクは全くもって無くなります。
しかも変形後に使えるBeta-Edgeが便利なのは何も変わらず。生きて帰ってきて、フルリソースでリーサル。理想的な動きです。
ちなみに全盛期は《BlackBox》《MasterPiece》も強化された状態で使えていました。あまりにもサリヤ一強です。(大規模優勝はしなかったのですが……)
《暴風》&嵐の力 S5
0-4 2/2 をはじめとするシェフの気まぐれレシピ。何かおかしかったので取り除かれた風神ゲージ。もはや伝説。
0-2 2/2 とか2-4 2/2とかあったじゃないですか。アレよりも強い訳ですからね。頭おかしい。
基本的に現在の嵐の力に比べて1ゲージ分以上強く、そのうえで上限値まで高かったため他のメガミではほとんど太刀打ちできないほどのパワーを持っていました。
単純に、《陣風》+《暴風》+《風神爪》だけで、
で2/2→+0/+1した《暴風》の2/2→2/2→2/2
そこに裏の攻撃と《大嵐》です。シスイもびっくり。
サイドディッシュも豪華です。今も変わらぬ移動や集中ドレイン、バフをお安く。さらにはドロー。ルーティングじゃなくてドロー!?と驚くかもしれませんが、あんまり関係ないです。引いたカードが0-4 2/2より強いことはあまりないので……。ただし《暴風》を引きに行くときは強い。狂っている。
とはいえ、多くのメガミとも組め、使っても使われても楽しかったカードであり、このランク帯の中では最も惜しい存在です。やはり《ブルードラゴン》
《風魔招来孔》 ~S3
0コストで、閾値が3/6/10です。よく見なくてもおかしいですが、よく見るともう少しおかしいところがあります。
最もメジャーな連携、通称《強りっこ》というものがありました
《招来孔》→《風神爪》《纏回》《風神爪》《旋風》。これが6コスト、ゲージ6-4で最大火力です。軽すぎますし、切札オブジェクトだけで攻撃して2点貫通します。手札消費は0です。ん?
それでもフレアが足りなければ、《招来孔》→《旋風》《纏回》《旋風》《風神爪》が4コストです。普通に切札2枚セットとして見た時は《ウバ》《ハドマ》より痛いレベルの威力が出てます。これも物足りなく感じてしまうのが恐ろしいです。
しかも、《風魔天狗道》が3~4コストで構えられていたのも恐ろしい話です。
5歩移動されたら基本的にリーサルは取れず、その返しに4コストコンボから通常札で小突かれて死にます。やってられません。
当時はこれを使うのが直接勝利につながるため、無理やり相方の弱い通常札を使ったり、《呼び声》《風来の知恵》を使っていましたが、今はそんなことをする必要はありません。1枚で複数ゲージを稼げるカードや序盤からアドを稼げるカードが非常に多くなっており、デッキパワーを下げずに《招来孔》を使いこなせます。
試しにライラ/レンリ(Aレンリ)あたりを使って《招来孔》を入れてみましょう。ナーフ前のこいつを釈放したらろくなことにならないのが分かると思います。
《残光》~S6
禁止経験者のひとり。
じゃんけんぽん!先攻!ピーハン!
《思考囲い》ならまあある程度許してやらんでもないですが、手札1枚が重く、同じカードを2枚積めないふるよにでは許されない理不尽な挙動です。
《ASURA》とも違い予備動作すらありません。そのため、ギミック系はすべて破壊。中盤から終盤にかけても活躍して対応も攻撃札も飛ばせます。相手がカードを引くタイミングもわかるので《封殺》してまた《残光》すればモーマンタイ。
カナヱが素朴に強すぎるのとは別ベクトルの強すぎるカードでした。なお、ミラーだと《残光》で相手の《残光》を抜くのが一番強いので、先攻の強さがさらに際立つのもクソポイントです。やっぱり《甲矢乙矢》さん……
《たまゆらふみ》~S6
またまた、禁止経験者のひとり。
簡単に言うと、常に構想を張ることが出来ます。《断行》《脚本化》が不要になるので通常札を存分に使うことが出来るようになります。さらに、単純に構想の進みが数ターン早くなり、すなわち単純に終幕や赤幕でのゲーム終了が速くなることを意味します。特に現代は相方の通常札の質が上がっているので意味は絶大でしょう。
ただ、全盛期を体現したのはどちらかというより後述するこいつです
意志の面及び金幕に関するルール変更 ~S6
完全にカードではない存在ですが、ここに入れないわけにはいかなかった。
意志の面を使うと1ターンで通常の構想を進められました。そのため幕が進む速度が現在許される限界を超えています。《鼓動》《殺陣》が特に危険で、殴りながら幕を進めると、その先には金幕が。オーラ・ライフダメージの両方を上げるといくら何でも死にます。
特にヤツハ/カナヱやチカゲ/カナヱなど、《桜飛沫》を軽い切札で達成できつつ、ライフダメージの大きい組み合わせの火力はすさまじく、4,5ターンでリーサルが取れました。流石に上限を超えています。
その裏では、6ターン前後の終幕達成もなされていたりしましたが、注目度は低かった印象です。だって金幕相手に勝てないもんね。はい。
《黒き鎧》~S8
もっとも最近の禁止経験者。めちゃめちゃ硬い。
相手ターンに対応として使っても一定以上の硬さがありますが、裂傷と相手の攻撃対応を駆使して納を9~11程度にし、相手の攻撃を長時間シャットアウトするというのが主な使われ方でした。立ってしまうとそのまま逆転の目を摘んで勝ち、簡単な話です。
当然シスイ本体が未だに一定以上の性能を持っている以上戻ってきたらNGなカードなのですが、正直Sランクの連中だと最もAに近いのではないかと思います。正直悩みました。敵が強すぎる……。
【まとめ】
こうして画像にして並べると圧が凄いですね。オールスター感。
最初にも書いたように、このゲームもなかなか歴史が長くなったなあと感じさせられた企画でした。
もしも気になるカードがあれば読み替えで試してみてはどうでしょうか。愉快な気持ちになれること請け合いです。
そして、遅刻して申し訳ございませんでした。もう少し分量を調整すべきだった……。
画像:ふるよにコモンズ BakaFire/TOKIAME